Akrav israchanani
~生きている個体が一度も見つかっていない~

英名:
とくになし
学名:
Akrav israchanani (Levy, 2007)
科名:
分布:
イスラエル (アヤロン洞窟、レヴァナ洞窟) (Levy, 2007; Fet et al., 2017)
体長:
30~50mm (Fet et al., 2011)

2006年に、イスラエル中央部に位置するアヤロンの峡谷にあるアヤロン洞窟で発見された種です。
アヤロン洞窟は、石灰岩の採石場の下に広がっているのですが、地上からは完全に閉ざされていたため、洞窟の存在は知られていませんでした。2006年に、ブルドーザーの掘削によって偶然発見されました。
Akrav israchananiが他のサソリとは異なる特徴をもっていることから、この1種のみで新しくカクレサソリ科がつくられました。
A. israchananiは、洞窟に特化して、眼が完全に退化しています。2006年4月と2007年8月の調査で合計20個体が発見されていますが、すべてが外骨格しか残っていない死骸で、生きている個体は見つかっていません (Fet et al., 2011)。発見された個体は、完全なサソリの形を保っているものもいますが、多くはばらばらになった破片状だそうです。
2015年には、アヤロン洞窟から350m離れた場所で新たに見つかったレヴァナ洞窟でも5個体が発見されましたが、アヤロン洞窟の場合と同様に、全ての個体が外骨格のみの死骸でした (Fet et al., 2017)。
アヤロン洞窟やレヴァナ洞窟がこれまで閉ざされていたことから、発見された個体がいつ死んだのかわからず、生きている個体も見つかっていないため、A. israchananiがすでに絶滅しているのか、まだ現存する種なのかは全く不明の状態です。
出典 ▼
- Levy, G. (2007) The first troglobite scorpion from Israel and a new chactoid family (Arachnida: Scorpiones), Zoology in the Middle East, 40:91-96.
- Fet, V., ME. Soleglad and SL. Zonstein (2011) The genus Akrav Levy, 2007 (Scorpiones: Akravidae) revisited, Euscorpius, 134:1-49.
- Fet, V., ME. Soleglad and SL. Zonstein, Israel Naaman, S. Lubaton, B. Langford and A. Frumkin (2017) The second record of a relict Akrav israchanani Levy, 2007 (Scorpiones: Akravidae) from Levana Cave, Israel, Euscorpius, 247:1-12.
2017/07/08 更新